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2026/06/02

第一ライフグループが世界トップティアへの重要戦略として、データ基盤「FDA」の構築を Microsoft Fabric で実現、AI 戦略基盤の起点に

2030 年度に世界トップティア入りを目指す第一ライフグループ。その実現に向けた重要な要素として、ASPIRE (AI Strategic Platform for Intelligence Research and Execution) の構築が進められています。その目標は「AI エージェントなどの先進的なツールをグループ全体で利用できる環境」の実現。これに先行してサイロ化などの課題を解消するデータ基盤を構築し、2026 年 2 月からさまざまな分析活用ユースケースが提供されています。

このデータ基盤は FDA (Federated Data Architecture) と呼ばれており、その最大の特徴はデータを仮想統合している点です。グループ各社のデータ環境をそのまま維持しながら、必要に応じてデータを統合できるようにしているのです。これを実現するために採用されたのが Microsoft Fabric です。仮想統合を実現できる OneLake ショートカットや、外部へのデータ流出を防ぐ OAP (Outbound Access Protection) が、高く評価されています。

FDA によってグループ全体のデータを「横串を通した状態」で見られる土台が実現。その最初のユースケースでは複数のグループ企業が、共通の切り口で顧客情報を分析できるようになりました。今後はこの FDA を包括した ASPIRE の上で、AI 活用を推進していく予定。ASPIRE は今後 AI プロジェクトの開発や展開を容易にする、第一ライフグループ IT Digital Unit の中でも最も重要なプロジェクトの 1 つに位置づけられています。

Daiichi Life Group

グループ全体での AI 活用を推進するデータ基盤として FDA を構想

2026 年 4 月 1 日に「第一生命ホールディングス株式会社」から名称を変更した「株式会社第一ライフグループ (以下、第一ライフグループ)」。日本初の相互主義による保険会社「第一生命保険相互会社」として 1902 年に設立され、すでに 120 年を超える歴史を持ちますが、現在では生命保険の枠を超え、多様な人生「Life」の可能性をひらく企業へと進化しています。また 2024 年度にスタートした中期経営計画では、2030 年度に「お客さま満足度」「従業員満足度」「商品・サービスの革新性」「企業価値」の 4 つの領域で国内 No.1 となると共に、グローバル トップティアの保険グループになることを目指しています。

「この壮大な目標を達成するための重要戦略として掲げられたのが、AI エージェントなどの先進的なツールを『どこで開発してもグループ全体で利用できる』環境の構築でした」と語るのは、第一ライフグループ 執行役員で Group Chief Data and AI Officer を務める Dr. Ulgen Figen  (フィゲン・ウルゲン) 氏。しかし 120 年という長い歴史の中で蓄積された情報は、紙の資料からクラウド上のデータに至るまでさまざまな形態で散在しているうえ、買収等で加わったグループ各社がそれぞれ独自のデータ プラットフォームを構築・運用していることもあり、データのサイロ化が進んでいたと言います。

この問題を解決するため、第一ライフグループは 2024 年 12 月に FDA (Federated Data Architecture:連邦型のデータ アーキテクチャ) というコンセプトを策定。その具現化に向けて、2025 年 4 月から構築プロジェクトがスタートします。

FDA で最も注目すべきなのは、グループ各社にある既存のデータ環境をそのまま維持しながら、必要に応じて仮想的にデータを統合する、という考え方です。つまり、すべてのデータを 1 つのデータ基盤に集める「集権型」ではなく、複数のデータ環境を緩やかにつなぐことから、「連邦型」と名付けられているのです。

Dr. Ulgen Figen 氏, 執行役員 Group Chief Data and AI Officer, 第一ライフグループ

“Fabric は、データ エージェントやローコード / ノーコード サポートなど、将来的に生成 AI を活用するために必要な幅広い要素を備えた、充実したプラットフォームになると確信しています。FDA 向けに Microsoft プラットフォームを活用することは、当社の戦略の中核をなすものです。また、今回のプロジェクトを通じて、マイクロソフトは、私たちの FDA 構築において、『トゥルー パートナー』でした。”

Dr. Ulgen Figen 氏, 執行役員 Group Chief Data and AI Officer, 第一ライフグループ

「OneLake ショートカット」や「OAP」を評価し Fabric を採用

この FDA のコンセプトが生まれた理由について、Ulgen 氏は次のように説明します。

「従来の集権型アーキテクチャで横断的なお客さま分析を行おうとすると、すべてのデータを中央にあるデータ基盤にコピーする必要があり、データのリアルタイム性や運用保守面、さらにはデータの重複・分散に伴うガバナンス面での問題が発生します。FDA の考え方はこれらの問題を解決するものであり、常に鮮度の高いデータを、ガバナンスを確保した状態で利用可能にします。またグループ各社の自由度や独立性を維持できる点も、大きなメリットです」。

その実現のために第一ライフグループが採用したのが、Microsoft Fabric です。その技術面での理由について、第一ライフグループ IT・デジタルユニット データ・AIデリバリーグループでマネジャーを務める斉藤 宏和 氏は、次のように説明します。

「Fabric にはデータの仮想統合を可能にする『OneLake ショートカット』、『マネージド プライベート エンドポイント』という機能があり、FDA のコンセプトを実現しやすいと評価しました。またセキュリティに関しても、ワークスペースから外部へのデータ流出を防ぐ『OAP (Outbound Access Protection) 』という機能の実装が、FDA プロジェクト開始の時点で予定されていました。そのため金融機関に求められる高いセキュリティも、問題なくクリアできると考えたのです」。

これに加えて Ulgen 氏は、2025 年の「Microsoft AI Frontiers」で示されたロードマップの内容も評価したと言及しています。

「Fabric は、データ エージェントやローコード / ノーコード サポートなど、将来的に生成 AI を活用するために必要な幅広い要素を備えた、充実したプラットフォームになると確信しています。FDA 向けに Microsoft プラットフォームを活用することは、当社の戦略の中核をなすものです。また、今回のプロジェクトを通じて、マイクロソフトは、私たちの FDA 構築において、『トゥルー パートナー』でした」。

斉藤 宏和 氏, IT・デジタルユニット データ・AIデリバリーグループ マネジャー, 第一ライフグループ

“Fabric にはデータの仮想統合を可能にする『OneLake ショートカット』、『マネージド プライベート エンドポイント』という機能があり、FDA のコンセプトを実現しやすいと評価しました。またセキュリティに関しても、ワークスペースから外部へのデータ流出を防ぐ『OAP (Outbound Access Protection) 』という機能の実装が、FDA プロジェクト開始の時点で予定されていました。そのため金融機関に求められる高いセキュリティも、問題なくクリアできると考えたのです。”

斉藤 宏和 氏, IT・デジタルユニット データ・AIデリバリーグループ マネジャー, 第一ライフグループ

グループ全体のデータを横串を通した状態で見られる土台が実現

2025 年 4 月には FDA の要件定義に着手。同年 7 月には日本マイクロソフトと業務委託契約を結び、コンサルティング支援を受けながら全体設計が進められていきます。2025 年 12 月には接続テストまで終え、データ基盤の根幹が完成。2026 年 2 月には、ユーザーを限定した高セキュリティ領域である「データ クリーン ルーム」において、Power BI を活用した最初のデータ可視化ユースケースが実現されています。また 2026 年 3 月末には、Microsoft Purview を活用したデータカタログも提供されています。

この最初のユースケースの効果について、第一ライフグループ IT・デジタルユニット データ・AI戦略グループでマネジャーを務める木次 翔 氏は次のように語っています。

「グループ全体のデータを横串を通した状態で見られる土台が、FDA によって整ったことで、実際にこの基盤を前提に業務上どのような分析ニーズがあるのかを整理できるようになりました。その結果、ユースケースを募ったところ、想定を上回る 20 種類以上のユースケースが挙がり、グループ横断の分析基盤に対するニーズの大きさを強く実感しました。現在はその中の一部である Power BI による分析データの可視化から着手していますが、今後は順次ユースケースを拡大していく予定です」。

FDA プロジェクトがこれだけ短期間で成果を挙げられた背景には、マイクロソフトからの強力かつ献身的なサポートがあったことも見逃せません。

「セキュアなデータ利活用環境の構築や、グループ各社が参加しやすいマルチテナントの構成やアクセス ルートなどを、マイクロソフトのコンサルティング部門である『ISD (Industry Solution Delivery) 』と密接に連携しながら実現していきました」と言うのは斉藤 氏。特に大きかったのが、金融機関として必須だと考えていた OAP の導入支援だったと振り返ります。

「当時はまだ正式リリース前でしたが、当社の『早く使いたい』という要望に応えるため、グローバルの専門組織である『Global Black Belt チーム』も急遽参加してくれました。またメール 1 本ですぐに回答が得られるなど、非常に手厚いサポートを受けられたと感じています。この後も、レドモンドのマイクロソフト本社で、2 日間にわたるワークショップが予定されています」。

木次 翔 氏, IT・デジタルユニット データ・AI戦略グループ マネジャー, 第一ライフグループ

“グループ全体のデータを横串を通した状態で見られる土台が、FDA によって整ったことで、実際にこの基盤を前提に業務上どのような分析ニーズがあるのかを整理できるようになりました。その結果、ユースケースを募ったところ、想定を上回る 20 種類以上のユースケースが挙がり、グループ横断の分析基盤に対するニーズの大きさを強く実感しました。現在はその中の一部である Power BI による分析データの可視化から着手していますが、今後は順次ユースケースを拡大していく予定です。”

木次 翔 氏, IT・デジタルユニット データ・AI戦略グループ マネジャー, 第一ライフグループ

現在は ASPIRE の構築を推進、マイクロソフトの技術進化も積極活用

最初のユースケースがリリースされた 2026 年 2 月には、FDA をさらに発展させた ASPIRE (AI Strategic Platform for Intelligence Research and Execution) というコンセプトも策定されています。その策定で重要な役割を果たしている、第一ライフグループ IT・デジタルユニット データ・AIデリバリーグループでラインマネジャーを務める中辻 喜文 氏は、次のように説明します。

「ASPIRE とは FDA の上に、『AI の共通利用』や『グループ全体への AI の提供』といった要素を加えた上位概念です。グループ各社がカスタマイズ可能な共通機能やテンプレートに加え、将来的には、単なるデータ分析の枠を超えたより高度な AI サービスの展開を、ASPIRE 上で実現していく計画です。そのロードマップもマイクロソフトの技術進化に追従する形で、発展させていきたいと考えています」。

これに関しては Ulgen 氏も、次のように語っています。

「第一ライフグループの中で取り組んでいるプロジェクトの中で、ASPIRE は最も期待度が高いものの 1 つです。ASPIRE がしっかり実現できれば、今後のあらゆる開発や展開が、劇的に迅速化・効率化されると確信しているからです。つまりこれを確立することは、第一ライフグループの AI 戦略にとって極めて重要な起点となるのです」。

中辻 喜文 氏, IT・デジタルユニット データ・AIデリバリーグループ ラインマネジャー, 第一ライフグループ

“ASPIRE とは FDA の上に、『AI の共通利用』や『グループ全体への AI の提供』といった要素を加えた上位概念です。グループ各社がカスタマイズ可能な共通機能やテンプレートに加え、将来的には、単なるデータ分析の枠を超えたより高度な AI サービスの展開を、ASPIRE 上で実現していく計画です。そのロードマップもマイクロソフトの技術進化に追従する形で、発展させていきたいと考えています。”

中辻 喜文 氏, IT・デジタルユニット データ・AIデリバリーグループ ラインマネジャー, 第一ライフグループ

今後も「遅くとも半年ごとには目に見える進捗を出しながら、ASPIRE を前進させていきたい」と Ulgen 氏。すでに 2026 年度内には、AI エージェントをモジュラー型で開発・実装し、グループ各社に提供していくことが目指されていると言います。「マイクロソフトにはこれからも『トゥルー パートナー』として、手厚い支援をお願いしたいと考えています」。

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